2013年10月10日木曜日

備忘録 ボール盤→タッピングマシーン化のための隈取(くまとり)モーター反転スイッチ取り付け改造


 タッピングマシーンは名前の通りタッピング、ねじ穴をつくるマッシーンなわけです(タッパーとも)。タッピングマシーンとして専用のモノが売られてはいるんですが、大概が業務用で結構良いお値段するわけなので、しかたなく手動でタップを立てるわけなんですが...

・ 手でやるとどうしてもねじ穴が斜めにできちゃったりする
・ 1個や2個ならいいけれど、数が多くなってくると地味に時間がかかる

など、お悩みのタネは尽きないわけです。

 そこで、手近なモノで代用できないかしら...と思うと良く似たものがありましたよ、ボール盤です。これならツールを垂直に下ろすこともできるし、モーターも付いてる、チャックも付いてる、何より程ほど安価に購入できる、でも惜しい!何が足りないかというと、「モータを反転させる」機能です。バカ穴(貫通穴)と違ってねじ穴を開けた後、ツール(タップ)を反転させて作ったねじ穴から外す必要があるわけです。じゃあモーターを反転させるようにスイッチ付けたら良いんじゃね?てな感じで自作タッピングマシン(タッパー)を作っちゃおうという算段です。
 と、ここまでは私じゃなくて世の先人達の知恵と努力と発想の賜であります。それらにあやかりながら手頃そうな卓上ボール盤をポチるわけですが、どうやらモーターを分解しないと反転できなさそうですよ...ToT というのが3年くらい前の秋葉原の雑居ビルの端っこでの出来事でした。
 それから時が過ぎ、その時のマシーンはもう手元にないので、もう一台改造しないとなぁ、てな具合で3年前の記憶をたどりつつ弐号機の改造を開始するわけですが、まあとにかく何から何まで憶えてない!分解してりゃ思い出すかな?ムリでした!!しかたねぇってんでまたほぼゼロから考えて(エライもんで、これはやってみたけどダメだった気がする、ってのは何となく憶えていたので割合スムーズに)改造完了!メデタシメデタシ。
 ...と終わりたい所ではありますが、どうもこのモーター、隈取(くまとり)モーターを反転させることについてはネットの情報が少なそうということもあり、折角なので(参号機がないとも言い切れないので)備忘録程度には記録を残しておきましょう、という運びであります。


と、ここで念のためお約束ではありますがお断わりを。

1.今のところ、本改造の後でも私は生きていますが、このページを参考にして改造を行った方の安全を保証するものではありません。また、本改造の結果、今後私の身に何も起らないとは限りませんので一通り動作したとしても気を緩めること無きよう、ご注意の程をよろしくお願い致します。

2.今のところ、本改造の後でも、私の手元の機械は元気に回転を続けていますが、このページを参考にして改造を行った方の所有する機械の安全を保証するものではありません。バラバラの状態から戻せなくなったり、期待通りの動作をしない、動かない、意に反して使用者を傷つける殺戮マシーンと化してしまったとしても責任持てませんのであしからず。

3.ご相談は可能な限り承りますので何かしらの方法でご連絡下さい。迅速な対応ができない場合もありますのでごゆるりとお待ち下さい。


 さて、今回の改造ベースになる商品はこちら↓ ミニ卓上ボール盤 REXON DP2250R です、実売で1万円くらいでしょうか?


図1 ミニ卓上ボール盤 REXON DP2250R

 
 こちらをがちゃがちゃ分解していきます。必ず電源OFF!コンセントも外してから!作業して下さい。上の濃いグレーの部分を外すと機械の大事な部分にアクセスできます。両サイドのネジを外してパカッと開けたら、本体とモータの取り付け部分、プーリーベルト(モータの先端の動力伝達用のベルト)、モータのハウジング(ガワ)に接続されているアース線を取り外し、動力線に注意しながらモータを引っ張り出します。メインの動力線は結構長いので今回の改造だけなら本体側の分解等はこれで充分です。
 引っ張り出した(厳密には改造後の)モータの写真です。右下へ伸びる配線は最初は付いていませんので見なかったことにしておいて下さいw モータのハウジングは外しにくいので根気よく。上下ハウジングの隙間にスクレイパーとか差し込んでずらしていくと良いかも知れません。

図2 摘出したモータ

 首尾良くガワが外れますと、中身は図3のような構造になっています。このモーターは隈取(くまとり)モータという種類のモータで、詳しい説明はwikiさんの説明を読んで頂くとして、まあ性能は良くないけど構造がカンタンで安いモーターです。そして単一方向にしか回転させないような扇風機とかファンとかに使われるらしいです。

図3 隈取(くまとり)モータ


 それでは改造開始ー、上部の基板を取り外します。ケーブルが生えているので、基板の根元でぶった切って良いと思います。そして基板の中央のローターの接点がスイッチで入れ替わる様に配線します。詳しくは図4をご参照。ケーブルの長さは30cmくらいあれば充分かな?45cmは長すぎでした。丁度手元にペアで被覆突きのケーブルがあったので2本に見えますが、都合4本のケーブルを、基板のまっすぐな部分とハウジングの間の隙間を通してハウジングの穴からケーブルを引き出します。できあがりは図2をご参照のこと。

図4 ケーブル配線


 最後にスイッチに配線して終了です。トグルスイッチでセルフニュートラルってその辺であんまり売ってない気がしますので、私はタミヤさんの エレクラフトシリーズ No.18 6Pトグルスイッチ(セルフニュートラルタイプ) 75018 (図5) っていうのをよく使います。これに図6のように配線して改造は完了!

図5 タミヤ トグルスイッチ(セルフニュートラルタイプ)

図6 手抜きw回路図


 あとはハンドル(?)部分に取り付ければOKですが、取り付け部品とかを作ったらまた紹介します!あ、そういえば壱号機はスピード落とすためにセメント抵抗か何か挟んだ気がしますが、実運用してみて必要そうならまた追記しますね!