2013年11月20日水曜日

Creo Tips - PTC Creo Elements/Direct Modeling Express4.0の使い方(手探り中:)08 パーツを修正する

 こんにちは、Creo Tips vol.08 です。前回の最後に部品の設計ミスが発覚してしまいましたので、今回はそれの修正をします。これまでも何回か恨みがましく書いているのですが、Creo Elements/Direct Modeling Express4.0はフィーチャーベースの3DCADでは無い(ちゃんと分類しちゃうとCADですらなくてモデリングツール、名前にもモデリングって書いてあるし、無理矢理CADっぽく使おうとするなよ、っていう関係者さんの声が聞こえなくもないですが...)ので、ちょろっと直して更新→OK!とはなりません。なので、紆余曲折を経て(まだ経ると思いますが)、「パーツは個別に、そのモデリングで使ったワークプレーンと共に保存すべし、モデリングのパラメータはどこか(ワークプレーン名とか)にメモしておけ!」という方針になっています。
 さらにもう一つ恨み言をいうと、アセンブリの中で一つのパーツのみに注目して修正する、的な機能がありませんので、↑で保存したパーツデータを修正→置き換えるという作業が必要になります(パーツを一括で置き換える、的な機能も多分ありませんね。。。あ、そのセッション内で修正ができない、というわけではないのですが、効率的に修正しようと思うとワークプレーンを残しておきたいのに、残したままセッションだと構造一覧が複雑になって見難いなどの問題があるのです。。。)。ともかく、無料のソフトなので使わせて貰ってるだけでありがたいと思いつつ、修正作業を進めたいと思います。

 さて、図1は前回の最後に発覚した設計ミスです。ネジ穴の間隔が上下のパーツでずれていたため、このまま作ってもネジで固定することができない状態です。
図1 前回発覚したミス
まずは新規セッションを作成し、この部品の元データ(ここではp0001a)と、正しいネジ穴の間隔の確認のために組み合わされる部品(P0005)も一緒に開きます。ただ、これらのデータを作った時は「パーツはアセンブリの中にそのパーツとスケッチをまとめて保管すべし」と言っていたのですが、「アセンブリ内で共有されたオブジェクトは相対位置が固定される」ため、部品を組み合わせる際に面倒なことになるので、普通に「部品とワークプレーンのセット」でパッケージファイルに保存するように順次変更していきます。
 まずは図2のように、パーツのデータを構造一覧のルート(一番上)に移動させます。比較用の部品(P0005)のワークプレーンは今回は必要ない(ワークプレーンから直接、間隔を調べても良いのですが、今回は別の方法を採ります)ので消してしまってOKです。あと、新規セッション作成の際に勝手に作られたパーツとワークプレーンも残っていると後々やっかいなので一旦消してしまいましょう。さらに、部品を元のセッションの様に組み合わせておいて下さい。
図2 パーツファイルの構成(新ルール)と寸法確認のために部品を組み合わせる
次は図3です、パーツを組み合わせた後で「メニュー」→「Modeling(M)」→「UI」→「詳細」をクリックすると横にならんでいるコマンドの数が増えてさらに複雑なコマンドも表示されるようになります。慣れてきたら「詳細」表示のままで大丈夫でしょう。

図3 組み合わせてから詳細コマンドを呼び出す準備をする。
詳細表示にすると、UIの切り替えが「簡易(表示へ切り替え)」に変わるので、新しく出てきたコマンドの中から投影コマンドを探しましょう。ワークプレーン上の要素を投影する2D投影もありますが、今回は、「メニュー」→「Modeling(M)」→「作図」→「図形投影」→「3D稜線」をクリックします(図4)。

図4 詳細表示から3D稜線の投影
次に投影させたいパーツのエッジを選択します。エッジが途中で切れているためクリックしにくいですが、正しい穴位置のパーツからネジ穴のエッジをワークプレーンに投影します(図5)。エッジがどうしても掴めない場合は、投影元のパーツをワークプレーン平面に垂直に動かしても同じ投影図が得られますし、移動させなくてもその方向に同じような形状があればそれを利用してもOKと思います。
 このように、別のパーツの投影を取ることで、1から数値を入れ直したりせずに、また、ミスも少なくできます。特に市販の部品などをモデリングしてそれを元に設計を進める際には非常に便利です。
図5 正しい穴のエッジを選択する
さて、投影できたらワークプレーン上で確認してみましょう、見づらいのでパーツは非表示にしました(図6)。きっちり1mmずれていました、おそらく勘違いか計算ミスでしょう。修正後は図7をご参照のこと、せっかくなのでちゃんと角を丸めておきました。あとは「プル」して3D化すれば完了なのですが、古いパーツに「プル」してしまうと、別のパーツと組み合わせる時に勝手に共有されたり面倒が起るので、パーツは新規作成してそっちに「プル」して、古いパーツは削除してしまいましょう。(ワークプレーンも古いと共有の警告がでるのですが、ワークプレーンはパーツの個別データ以外では消去してしまえばいいのであまり拘らないことにします)。できあがりは図8のようになりました。

図6 正しいネジ穴を投影したワークプレーン
図7 修正後のワークプレーン
図8 パーツの「プル」し直し

 と、パーツの修正の手順はこんな感じで上手くいきそうです。さて、それでは次回は新しいパーツを組み合わせていきます。とりあえずのゴールが見えてきましたがもうちょっと続きますよ!それではまたー\(^o^)/